森田社会保険労務士事務所

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老齢基礎年金



<老齢基礎年金が受給できる要件とは>
老齢基礎年金を受給するために必要な期間「受給資格期間」が10年以上(*1)あり、65歳(*2)
に達していることが必要です。

*1 原則は10年ですが、特例で10年に満たない場合でも受給資格期間を満たす場合があります。
   また、平成29年8月までは、受給資格期間が25年必要でした。
*2 繰上請求の場合は、60歳から受給可能ですが、受給開始時期に応じて一定額が減額され、それ
   が生涯にわたって続きます。

<受給資格期間とは>
 @保険料納付済期間、A保険料免除期間、B合算対象期間のことをいいます。

 それぞれ簡単にいえば、保険料を支払った期間、保険料を支払わなくてもよいと認められた期間、
 年金制度に加入しなくてもよかった期間 ということが言えます。これらをあわせて25年以上
 あればよいということになります。

@保険料納付済期間 
 1 国民年金の第1号被保険者および昭和61年3月以前の国民年金の被保険者期間のうち、
保険料を納めた期間
 2 国民年金の第2号被保険者(厚生年金や共済組合の加入期間)うち、20歳以上60歳未満
の期間
 3 国民年金の第3号被保険者期間
 4 昭和36年4月から昭和61年3月までの厚生年金、船員保険、共済組合の加入期間のうち、
20歳以上60歳未満の期間

A保険料免除期間
 1 法定免除期間(障害年金1級または2級の受給権者、生活保護の受給者等)
 2 申請免除期間(申請により、前年所得に応じて免除される)
 3 学生の納付特例期間、若年者納付猶予期間
(上記の法定免除、申請免除と違い、年金額には反映されない。)

B合算対象期間
 ここでは、年金相談時に確認させていただくことが多い合算対象期間を記載しております。
 合算対象期間は複雑で他にもありますのでこれがすべてではありません。
 1 昭和36年4月から昭和61年3月までの期間で、国民年金の任意加入対象者だった方が
任意加入していなかった期間(例として、サラリーマン(厚生年金加入者)の妻が任意加入
しなかった期間)
 2 昭和61年4月以降の期間で厚生年金、共済組合の加入期間のうち、20歳未満60歳以上
の期間
 3 昭和36年4月から昭和61年3月までの期間で、厚生年金、共済組合の加入期間のうち、
20歳未満60歳以上の期間
 4 日本国民であって日本国内に住所を有しなかった期間のうち、昭和36年4月1日以後の
期間(20歳以上60歳未満の期間に限ります)
 5 平成3年3月31日までの期間のうち、20歳以上の昼間部の学生で任意加入しなかった期間

<老齢基礎年金の年金額>
 満額 781,700円 (2020年4月時点)
 40年(480か月)納付した場合を満額とし、480月に満たない場合、保険料納付月数にあわせて
 減額された金額となります。
 例)保険料納付月数が25年(300月)であった場合
   781,700円 × 300 / 480 = 488,563円

 また、免除期間は1か月ではなく、免除期間によって1か月より、少ない月数で計算されます。
 保険料全額免除期間  免除期間の月数の2分の1とします。
 (平成21年3月以前は、3分の1)
 保険料4分の3免除期間  免除期間の月数の8分の5とします。
 (平成21年3月以前は、2分の1)
 保険料半額免除期間  免除期間の月数の4分の3とします。
 (平成21年3月以前は、3分の2)
 保険料4分の1免除期間  免除期間の月数の8分の7とします。
 (平平成21年3月以前は、6分の5)

<老齢基礎年金の繰上げ請求とは>
 老齢基礎年金の受給は65歳からですが、以下の要件を満たせば65歳前からの受給も可能です。
 ただし、受給開始時期に応じて減額され、生涯にわたって減額された金額での受給となります。
  @60歳以上65歳未満であること
  A請求があった日の前日において老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること
  B原則として被保険者でないこと
 
 繰上げ請求による減額率は月単位で算定されます。
  減額率 = 5/1000 × 支給繰上げ請求日の属する月から65歳に達する日の属する月の
               前月までの月数

  例)60歳で繰上げ請求した場合
   65歳までは、5年(60か月)であるため、 5/1000 × 60 = 0.3 であり、30%の
   減額となります。

<老齢基礎年金の繰上げ請求の注意点>
 (1)不利益となることは?
  老齢基礎年金を繰上げ受給すると65歳に達している方と同様に扱われます。
  例えば、65歳未満を支給要件とする障害基礎年金は支給されない、寡婦年金は支給されない等の
  不利益となることがあります。

 (2)繰上げ受給したら、配偶者の年金に影響する?
  老齢基礎年金を繰上げ受給しても、配偶者の受給している年金に影響はありません。
  65歳に達している方と同様に扱われることがありますが、配偶者加給年金は支給されます。

 (3)繰上げ受給したら、厚生年金も少なくなる?
  老齢厚生年金の受給開始年齢に到達している場合、老齢厚生年金の報酬比例部分は減額されません。

 (4)繰上げ受給したが、取消できる?
  60歳から65歳までの間に手続きができますが、一度手続きをした後に取消することはできません。

<老齢基礎年金の繰下げ請求>
 老齢基礎年金の受給は65歳からですが、受給権取得(通常は65歳)から1年を経過するよりも前に
 老齢基礎年金を裁定請求していなかった場合、繰下げ請求することができます。
 (遺族、障害等の受給権がある場合は繰下げできない等の例外もあります)
 繰下げ請求により、老齢基礎年金の金額に一定額が加算され、その増額となった金額で生涯にわたっ
 て受給となります。

 繰下げ請求による増額率は月単位で算定されます。
  増額率 = 7/1000 × 受給権を取得した日の属する月から支給繰下げ請求した日の属する月の
               前月までの月数(最大で60まで)

  例)65歳で老齢基礎年金の受給権取得 66歳で繰下げ請求した場合
   66歳までは、1年(12か月)であるため、 7/1000 × 12 = 0.084 であり、8.4%の
   増額となります。

<老齢基礎年金の繰下げ請求の注意点>
 (1)繰下げに必要な期間は?
  老齢基礎年金の受給権取得(通常は65歳)から1年を経過していることが要件ですので
  年金を受給しない(ゼロ円)期間が最低1年は必要です。

 (2)振替加算は?
  振替加算が受給できる場合でも、振替加算は増額の対象とはならず、繰下げ請求時からの
  受給となります。繰下げ請求の月数分の振替加算が受給できないということになります。

 (3)繰下げは70歳まで可能?
  老齢基礎年金の受給権取得から最大で5年(60か月)までが繰下げ請求期間です。
  65歳で老齢基礎年金の受給権取得となる方が大半ですので繰下げは70歳まで可能という場合
  が多いのは事実ですが、年齢制限が設けられているわけではありません。
  67歳で老齢基礎年金の受給権取得となれば、72歳まで繰下げ可能です。

 (4)繰下げ請求する予定(繰下げ待機中)だったが、やめることは可能?
  繰下げ請求を予定しており、老齢基礎年金の受給をしていなかった場合は、「繰下げ請求」、
  または「65歳遡及請求」を選択することができます。
  受給権取得(通常は65歳)時から老齢基礎年金を受給していた場合、繰下げ請求への変更
  はできませんが、老齢基礎年金を受給していなければ選択ができます。
  繰下げ待機中の場合、年金事務所での請求時に、「繰下げ請求」または「65歳遡及請求」のどちら
  かを確認されます。

<付加年金とは>
 国民年金の第1号被保険者および65歳未満の任意加入被保険者が保険料を納付するときに
 併せて付加保険料(1か月 400円)を納付していた場合に、 
 付加年金として 付加保険料納付月数 × 200円 が老齢基礎年金に加算して受給できるものです。

<付加年金に関する注意点>
 ・厚生年金保険や共済組合の加入者は、付加保険料を納付することができません。
 ・国民年金の免除を受けている方、国民年金の第3号被保険者は、付加保険料を納付することが
  できません。
 ・付加保険料のみを納付することはできません。
 ・国民年金基金と同時に納付することはできません。
 ・老齢基礎年金を繰上げ請求すると付加年金も同時に繰上げとなり、減額受給となります。
 ・老齢基礎年金を繰下げ請求すると付加年金も同時に繰下げとなり、増額受給となります。